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採用動画とは?会社の雰囲気を伝える動画制作の考え方

「採用動画を作りたいが、何を撮ればよいかわからない」
「会社紹介動画はあるが、応募や面談につながっている実感がない」
「社員が仲良く働いている様子を見せたいが、それだけで採用に役立つのか不安」

採用動画は、会社を格好よく見せるためだけの映像ではありません。

本来の役割は、求職者が応募前に知りたい仕事の実態、組織の価値観、評価される行動、働く環境を具体的に伝え、自社との相性を判断できる状態をつくることです。

採用動画の視聴は、企業を初めて知る認知段階だけでなく、比較検討や応募判断の場面でも行われます。そのため、動画の完成度だけでなく、「誰の、どの不安を解消する動画なのか」を設計することが重要です。

本記事では、採用動画の基本、会社の雰囲気を正しく伝える方法、制作の進め方、活用後に見るべき指標まで解説します。

採用動画とは、応募前の理解を深める情報設計

採用動画とは、求職者に対して会社や仕事の情報を映像で伝え、応募・面談・入社の判断を支援するコンテンツです。

求人票では、給与、勤務地、勤務時間、福利厚生、募集職種などの条件を伝えられます。

一方で、応募を迷う人が知りたいのは、条件だけではありません。

  • 実際にはどのような仕事をするのか

  • 未経験者は最初に何を任されるのか

  • 忙しい時期にはどのような働き方になるのか

  • 上司や先輩からどのようなフィードバックを受けるのか

  • 納期、確認、顧客対応で何を求められるのか

  • どのような人が活躍しているのか

  • 自分はその環境で働き続けられそうか

採用動画は、こうした文章だけでは伝わりにくい情報を、表情、会話、現場、仕事の動き、音、空間を通じて具体化する手段です。

重要なのは、動画で「魅力を盛る」ことではありません。

求職者が働く姿を想像できるだけの判断材料を渡すことが、採用動画の本来の価値です。

会社紹介動画と採用動画の違い

会社紹介動画と採用動画は似ていますが、目的が異なります。

会社紹介動画は、顧客、取引先、地域、投資家などを含む幅広い相手に対し、企業の事業内容やブランドイメージを伝えることが主な目的です。

一方、採用動画は求職者に向けて、「ここで働く自分」を想像してもらうための動画です。

比較項目

会社紹介動画

採用動画

主な視聴者

顧客・取引先・一般層

求職者・候補者

主な目的

企業理解・信頼形成

応募前の理解・相性判断

伝える内容

事業、実績、理念、沿革

仕事、現場、社員、評価、働き方

視聴後の行動

問い合わせ、認知、商談

応募、面談、説明会参加

重視する視点

企業の魅力

働く実態と期待値

採用目的で動画を作る場合、企業の沿革や事業規模を長く説明するよりも、現場の仕事、社員の一日、具体的な判断基準を見せる方が、求職者にとって判断しやすいケースがあります。

会社の雰囲気は「仲の良さ」ではなく仕事の進め方に表れる

「会社の雰囲気を伝えたい」という相談は多くあります。

ただし、オフィスで笑顔の社員が話している場面や、食事会、社内イベントだけでは、仕事の雰囲気までは伝わりません。

求職者が知りたいのは、日常的にどのようなコミュニケーションがあり、どのような判断が行われ、何を大切にして仕事を進めているかです。

採用動画で会社の雰囲気を伝える際は、以下のような場面を優先すると具体性が高まります。

  • 朝の共有や進行確認の場面

  • チームで企画や課題を議論している場面

  • 先輩が後輩へフィードバックしている場面

  • 撮影、編集、営業、接客など、実際に働いている場面

  • 修正やトラブルが発生したときの対応

  • 成果物を納品するまでの流れ

  • 社員が仕事の難しさと成長実感を語る場面

雰囲気とは、演出ではなく、働く人の行動や関係性に表れます。

たとえば「挑戦を大切にする会社」であれば、若手にどの段階から任せるのか、失敗した際にどのような振り返りをするのかまで見せる必要があります。

「責任感を大切にする会社」であれば、報連相、納期管理、確認フロー、顧客への向き合い方にその価値観が表れます。

抽象的な理念を語るだけでなく、実際の仕事の中で理念がどう行動に変わっているかを映像化することが重要です。

採用動画で制作すべき4つのコンテンツ

採用動画は、1本の映像にすべてを詰め込むより、役割を分けて複数本で設計する方が活用しやすくなります。

1. 仕事紹介動画

仕事内容、業務の流れ、一日の動き、求められるスキルを伝える動画です。

採用動画では、特に重要なコンテンツです。

「現場での仕事の様子」は、採用動画で志望度が上がる内容として上位に挙がっています。完成した成果物だけでなく、その裏側にある判断、確認、連携まで見せることで、仕事の解像度が高まります。

目安としては、認知用の短尺版と、理解促進用の2〜5分程度の本編を用意すると活用しやすくなります。

2. 社員インタビュー動画

社員が、入社理由、仕事のやりがい、苦労した経験、成長のきっかけを語る動画です。

ただし、「会社が好きです」「人が良いです」といった感想だけでは、情報として弱くなります。

質問は、以下のように具体化する必要があります。

  • 入社直後に任された仕事は何でしたか

  • 最初に苦労したことは何ですか

  • どのようなフィードバックで成長を感じましたか

  • この仕事で評価される行動は何ですか

  • 仕事で大切にしている基準は何ですか

  • どのような人が向いていると思いますか

社員の人柄を見せるだけでなく、求職者が働く自分を重ねられる内容にすることが大切です。

3. 組織文化・価値観動画

企業が大切にする価値観を、経営者や現場社員の言葉と実際の仕事の映像で伝える動画です。

この動画では、理念をそのまま読み上げるのではなく、「価値観がどのような場面で意思決定に使われているか」を示します。

たとえば、スピードを重視する会社であれば、意思決定の早さや挑戦の機会を見せます。品質を重視する会社であれば、細部の確認やレビューの仕組みを見せます。

理念は言葉だけでは伝わりません。日常の行動と結びつけることで、初めて説得力を持ちます。

4. 選考・不安解消動画

選考フロー、面談の雰囲気、よくある質問、未経験者の立ち上がり、評価制度、キャリアなどを説明する動画です。

この動画は、応募前や選考中の離脱を減らすために役立ちます。

特に、面接で毎回聞かれる質問や、応募者が不安に感じやすい点は、動画化する価値があります。

採用ページに埋め込む、説明会前に共有する、カジュアル面談の案内と一緒に送るなど、複数の場面で使い回せるコンテンツになります。

採用動画制作で失敗しない企画・撮影・編集の流れ

採用動画は、撮影当日の演出よりも、撮影前の設計で成果が決まります。

1. 採用課題を明確にする

最初に整理すべきは、「動画を作りたい理由」ではなく「採用活動で何が詰まっているか」です。

  • 応募数が少ない

  • 応募はあるが、面接辞退が多い

  • 面接で仕事内容の説明に時間がかかる

  • 選考通過率が低い

  • 内定承諾につながらない

  • 入社後のミスマッチが起きている

課題によって、作るべき動画は変わります。

応募数が少ない企業なら認知・仕事紹介が必要かもしれません。面接辞退が多い企業なら、選考の不安を解消する動画が必要かもしれません。

2. 視聴者の不安を一つに絞る

一本の動画で解消する不安は、一つに絞る方が伝わります。

たとえば、「未経験でも動画編集者として働けるか不安な人」に向けるなら、仕事内容、教育、最初の案件、求める姿勢を中心に構成します。

「営業職の働き方が知りたい人」に向けるなら、商談、準備、目標、チーム連携、評価を中心にします。

誰に向けた動画なのかが曖昧なまま撮影すると、視聴後に何も残らない映像になりやすくなります。

3. 撮影前に構成と必要な画を決める

採用動画では、インタビューだけを撮影して終わるケースがあります。

しかし、話している内容を裏付ける現場映像がなければ、映像の説得力は下がります。

撮影前には、以下を一覧化します。

  • 伝えるメッセージ

  • 出演者

  • インタビュー質問

  • 必要な現場カット

  • 会議、作業、移動、接客などの撮影シーン

  • 使用する場所

  • 公開先と動画の尺

  • 動画の最後に案内する行動

企画意図から逆算して撮影内容を組み立てることで、編集段階で無理に映像をつなぐ必要が減ります。

4. 冒頭で視聴者の疑問に答える

採用動画の冒頭で、長い会社紹介や代表挨拶から入ると、求職者が離脱しやすくなります。

最初の数秒で、誰に向けた動画か、何がわかるのかを伝えることが重要です。

例えば、以下のような入り方です。

  • 「未経験から入社した社員の、最初の3か月を紹介します」

  • 「営業職の一日は、商談より前の準備で決まります」

  • 「動画編集者が、納期までにどのように案件を進めるのかを公開します」

  • 「入社前に知っておいてほしい、この仕事の難しさをお話しします」

動画を見る意味が最初に伝われば、視聴者は内容を理解しやすくなります。

5. 1本を複数媒体で使える形にする

採用動画は、採用サイトだけに掲載するものではありません。

1本の本編動画から、短尺動画、社員コメント、静止画、記事用の引用、説明会用素材などを作ることで、制作コストを分散できます。

  • 採用サイト:本編動画

  • Wantedly:社員インタビューの抜粋

  • YouTube:仕事紹介や密着動画

  • Instagram・TikTok:15〜60秒の短尺版

  • X:公開告知、仕事の考え方、社員コメント

  • 説明会:会社紹介や職種理解の補助

制作時点で二次活用を想定しておくと、撮影素材の価値を高められます。

採用動画で見るべきKPI

採用動画の成果を、再生数だけで判断するのは危険です。

動画の目的ごとに、確認する数字を分ける必要があります。

認知を目的にする場合

  • インプレッション数

  • 再生数

  • 視聴開始率

  • リーチ数

  • プロフィールや採用ページへの遷移数

仕事理解を目的にする場合

  • 平均視聴時間

  • 視聴維持率

  • 重要な場面での離脱率

  • 関連記事や募集要項への遷移率

  • カジュアル面談での質問内容

応募・面談を目的にする場合

  • 動画経由の応募開始数

  • 応募完了数

  • 説明会申込数

  • カジュアル面談申込数

  • 面接実施率

採用の質を確認する場合

  • 書類通過率

  • 面接辞退率

  • 内定承諾率

  • 入社後の早期離職率

  • 応募者が動画を見て理解した内容

  • 応募を後押ししたコンテンツ

応募フォームや面談申込フォームに「応募前に見たコンテンツ」「応募を後押しした情報」を設けると、採用動画が実際にどの段階で効いているかを確認しやすくなります。

採用動画でよくある失敗

良い面だけを見せている

笑顔、綺麗なオフィス、社員旅行だけでは、仕事の現実は伝わりません。

仕事の難しさ、求められる基準、忙しい時期、向いていない人も含めて伝える方が、応募後の認識差を減らせます。

会社説明を詰め込みすぎている

企業理念、沿革、サービス、制度、社員紹介を一本に詰め込むと、内容がぼやけます。

動画ごとに役割を分け、一本につき一つの問いに答える設計が必要です。

動画が長く、結論が見えない

採用動画では、動画の長さそのものよりも、視聴者が「自分に関係がある」と感じ続けられるかが重要です。

最初に結論を見せ、必要な情報を絞り、続きが見たい人には詳細動画や記事へつなげる設計にすると、情報量と見やすさを両立できます。

公開して終わっている

公開後に数字を見ず、更新もしない採用動画は、時間が経つほど情報が古くなります。

社員構成、制度、オフィス、選考フロー、募集職種が変わった際は、公開済み動画も見直す必要があります。

採用動画を90日で運用に乗せる方法

1〜2週目:採用課題と候補者の不安を整理する

採用したい職種、人数、応募者が不安に感じる点、面接でよく聞かれる質問、辞退理由、活躍している人の共通点を整理します。

3〜4週目:動画企画と撮影設計を行う

動画の役割、視聴者、伝えるメッセージ、出演者、必要な現場映像、公開先、CTAを決めます。

2か月目:本編と短尺素材を制作する

本編だけでなく、SNSや求人ページで使える短尺動画、静止画、記事素材も同時に用意します。

3か月目:配信と改善を始める

採用サイト、Wantedly、SNS、説明会、スカウト、面談案内などに配置し、視聴データと応募データを確認します。

最初から一本の動画に成果を求めるのではなく、求職者の質問や反応をもとに、次の動画を追加していくことが重要です。

まとめ|採用動画は、雰囲気を演出するものではなく働く姿を見せるもの

採用動画とは、企業を魅力的に見せるためだけのコンテンツではありません。

求職者が、仕事内容、組織文化、評価基準、成長環境、仕事の難しさを理解し、自分に合う会社かを判断するための情報設計です。

採用動画で重要なのは、次の5点です。

  1. 会社紹介よりも、仕事の実態を具体的に見せる

  2. 雰囲気をイベントや笑顔だけで表現しない

  3. 一本の動画に詰め込まず、役割ごとに分ける

  4. 撮影前に、視聴者の不安と必要な現場映像を設計する

  5. 再生数だけでなく、応募・面談・採用の質まで確認する

会社の雰囲気は、きれいな映像や演出だけでは伝わりません。

日々どのように働き、どのように相談し、何を大切にし、どのような基準で評価されるのか。その実態を映像で伝えることが、採用動画の価値になります。

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